Friday, March 4, 2011

Boy meets a Girl

そこにはさっきの男と、初めて見る顔が二人。
まあ、二十代かせいぜい三十代前半と言った所だろう。
三人とも薄汚れている服を着ている。
少なくとも、見える範囲では武器を手にした様子はない。
対してこちらは殴打され且つ酩酊寸前の俺とスパンコールのドレスの彼女。
どう転んでも勝てる見込みは無かった。
「全くもってツイてないぜ。。」と彼女を庇いながらの俺。
「同感!」と、この状況すらどこかうれしそうに見える彼女。
彼女はこんな修羅場も笑っている。
やれやれ、たいしたもんだ。
この派手なスパンコールドレスを着こなす彼女とはさきほどクラブで出会った。
今夜も俺はいつものように独り、呑んでいた。
ようやくウィスキーが何の味もしなくなってきた頃、見知らぬ女が現れ突然
「ごめんなさい、ちょっと私の連れのふりをして!!」
と俺の胸に飛び込み、顔を埋める女。
突然の抱擁に驚いたものの受け入れた直後。。
「くっそ、あいつどこへ消えやがった!」と男が続いて怒鳴り散らす。
だが、しばらく見回しどこかへ行ってしまった。
不覚にも俺はその間、小さな温もり、凛とした香水の匂いにんで微睡しまっていた。。
この時の彼女によるとあの男の幾度かの浮気の発覚で口論になり、とうとう彼女から別れを切り出したらしい。
「私には夢があるの その為には、いかなるものも犠牲にしなければいけない そうは思わない?」
「一体どんな夢なんだ?
「ごめんなさい。叶えるまでは人に言わないって決めてるの。私ってジンクスは信じる方よ。」
俺自身、信じられなかったのだが、すでに彼女の理解しがたい言動やミステリアスな行動にどうしようもなく惹かれていた。しばらく二人で飲み交わした後に彼女は帰らなければいけないという。
「さみしくなるよ」
「叶えないといけない夢があるのよ」
「それもジンクス?
「そうね、またどこかで偶然再会することがあったら考えてもいいわ」
音も立てず店を去る彼女。
俺は彼女を引き止めなかった事にひどく後悔した矢先、店先で彼女の悲鳴が。
俺は反射的に店を飛び出すと、さっきの男が彼女にくって掛かっていた。
思わず俺は彼女の手をとり、振り向かず駆け抜けた。
彼女は何かを叫んでいたが俺の耳には届かなかった。
そしてやっとの事で路地に逃げ込み、なんとか男を撤くことができたようだ。
「また会ったわね」と彼女。「。。これを再会とは呼べないかな?」と俺。
してやったりと思ったのもつかの間、俺たちはあの男の、いや、あの男達の迫撃に遭ってしまった。
その時、彼女は耳元で囁いた。「ここを切り抜けたら貴方との夢もいいね」と言う。
俺は覚悟を決めて、「それが叶えたい夢?」あごを引いて、を拳かまえた。
「叶えないといけない夢よ★」と彼女は初めて笑った。とてもチャーミングな笑顔だった。
そして「ボクサー崩れかこのやろ!」と声が聞こえるとすぐ彼らは襲ってきた。
さあ俺は、ここを切り抜けなければならない。叶えないといけない夢の為に。
             -be continued -

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